CROSS TALK 技術系女性座談会
分け隔てなく活躍できる環境の中で、
多彩な経験を重ねていく。
Profile
所属:土木建築事業部 土木第二グループ
学部学科・専攻:外国語学部 英語学科
学生時代の研究テーマ:
異文化コミュニケ―ションを中心としたケーススタディ
所属:環境事業部分析センター 分析測定グループ
分析測定グループ
学部学科・専攻:理学研究科 化学専攻
学生時代の研究テーマ:
南極エアロゾル及び氷床コア中の脂質成分の濃度分布調査、過去の気候変動や物質循環に関する考察
所属:原子力事業部 原子力工事・委託グループ
学部学科・専攻:理工学部 理工学科
学生時代の研究テーマ:
有機化合物と糖類の反応性に関する研究
所属:川崎火力総括事務所 横浜事務所 工事・運転グループ
横浜事務所 工事・運転グループ
学部学科・専攻:工学部 電気電子工学科
学生時代の研究テーマ:
地球環境を考慮した考慮した環境に優しい窒化物半導体について
所属:経営企画部企画グループ
学部学科・専攻:工学部 生物環境科学工学科
学生時代の研究テーマ:
燃料電池発電システムの改質器や、CO変成器用の新たな構造体触媒について
Theme 01
なぜ、入社を決めたのですか?
東京パワーテクノロジーのどこに魅力を感じたのかを教えてください。
私の知るかぎりでは、東京パワーテクノロジー(TPT)だけが女性技術者をメインにした会社説明会を開いていたんです。女性の先輩社員に会って話を聞くうちに、「女性技術者の育成に力を入れている会社だな」というイメージを持てたことが、いちばんの入社動機でした。
女性技術者と、どんな話をしたんですか?
「育成環境がどれだけ充実しているか」「女性が働きやすいかどうか」など、こちらからいろいろ質問させてもらいました。だいぶ前のことなので細かいやりとりは忘れてしまいましたが(笑)、先輩社員の回答にすごく納得感があったことは覚えています。
私はシンプルに、学生時代の専攻を活かせるかどうかが会社選びの軸でしたね。技術職で就職活動をしていましたが、女性も活躍できる企業を探せていなかった。その中で出会えたのが、学校説明会に来ていた東電環境エンジニアリング(※)です。当時から「女性が現場で活躍しています」と明言していたのが印象的でした。
※東京パワーテクノロジーの前身企業の1社
私も川口さんに近いですね。最初は「化学系の仕事ならなんでもOK」くらいの気持ちで、業種を問わずにいろんな会社を見ていました。その中から合いそうな会社を絞っていって、最終的に決めたのがTPT。正直をいえば、「原子力発電所内での分析業務」という仕事にはそんなにイメージが湧かなかったんですが(笑)、未知の世界だからこそ新しい知識が必要になるだろうし、それが成長に結びつくんじゃないかなと。
私も専攻軸です。大学や大学院で学んだことをベースに、環境の調査や分析ができる会社を探しました。ただ、事業としてはそれを謳っていても、実際には「協力会社にお任せ」というところも少なくないんです。そうなってしまうと、自分自身の手を動かして関わることができない。ちゃんと自社内で調査・分析を行なっている会社であることが大切なポイントでしたね。
関本さんは語学系の学部を出て入社されています。
はい。翻訳や通訳ができる会社を探していました。技術系の会社を選んだのは、父が技術系の仕事をしていたこともひとつの理由かもしれません。たとえば金融や文芸の世界に比べて、親しみを感じやすかったんですね。専門的に理系の勉強をしたことはありませんが、それでも受け入れてくれる会社がないかなと探していて、TPTに巡り会えたという経緯です。
Theme 02
いま、どんな仕事をしていますか?
みなさんの多くは技術系としての入社ですが、仕事はそれぞれ幅広いですね。
私は横浜火力発電所での「日常委託作業」がメインの業務です。発電所では頻繁に計器の点検が行われていますが、異常があれば速やかに対応することが大切。その際に必要な部品の手配などを行なっています。
発電所が安全に運転を続けるために、欠かせない仕事です。
中でもメインイベントと呼べるのが、半年に一回の定期検査工事、略して「定検」。設備を止めて実施する大がかりなものですが、当然、止まっている時間は短いほどいい。発電所の運営会社から「工期はこれくらいに収めたい」という要望を受け、業者さんと協力して全力で間に合わせます。責任はとても大きいかわりに、「自分たちの仕事が電気供給を支えているんだ」と強く実感できる機会ですね。
相田さんは最近、異動されたとお聞きしました。
そうなんです。少し前まで、原子力発電所で廃棄物の分析を手がけていました。数か月がかりで10核種の分析を行なったことがあるんですが、すべての核種で問題のないデータが取れた時はうれしかったですね。入社以来、いちばんの達成感だったかもしれません(笑)。異動後の今は、化学関係の業務についての委託管理や、現場での契約手続きをサポートしています。
業務内容がガラリと変わりましたね。
だいぶ違いますね(笑)。川口さんから引き継いだ仕事なので、わからないところをいろいろと教わりながら、少しずつ慣れていっているところです。
私は新卒入社から約20年、分析測定業務に就いていました。その後、まったく経験のなかった営業活動を経験しています。福島環境再生プロジェクトチームの一員として、官公庁などを対象とした情報収集や入札への参加、受注後の現場フォローなどを担当しました。がんばったものの、私よりずっと営業スキルの高い方がたくさんいらっしゃって、「かなわないな」とはっきり悟りました(笑)。ただ、それまではどちらかといえば内向きの仕事をしていたので、営業として対外的な活動ができたのはとても有意義だったと思います。今は分析測定業務に戻っていますが、振り返ってみてもいい経験でした。
私も最近、異動したところです。もともとは原子力事業所の現場支援を手がけていて、今は経営企画部。会議の運営、全社的な原価低減の推進、福島復興支援の総括など、経営全体に関わる仕事をしています。まだまだ不安もありますが、社内の人脈がこれまでになく広がっていく仕事でもあり、そこを楽しみながら学んでいるところです。
異動によって、得られる経験の幅がかなり広がりそうです。
それが異動の意義のひとつかなと思います。私や川口さんのように、技術系と事務系をまたぐほどの異動が頻繁にあるわけではありません。でも、その人の適性をしっかり見たうえで、力をさらに引き出すような配属はごく当たり前に行われているように感じています。
自分だったら考えもしないような部署を会社から提示してもらえる。背中を押される感覚ですね。
私はまだそこまで大きな異動を経験していませんが、「いずれはあるかもよ」と先輩には言われています。不安がまったくないわけではありませんが(笑)、新しい経験に期待もしていますね。
関本さんも翻訳・通訳以外の業務にも携わっていますね。
私は今、再生可能エネルギーを利用する発電設備について、和英の両言語を使いながら営業活動まで行っています。発注者が外資系の企業であることが多いので、開発調査、設計、工事など、さまざまなフェーズにおいて英語でのコミュニケーションが必要になるんです。加えて、送電線のルート調査や、図面などの資料作成にも携わっています。
語学以外のスキルも重要になりそうです。
知っておくべき範囲も広いのが大変ですね。もちろん、専門用語も両言語で知っておかなければならないですし。でも、そうした苦労があったとしても、やっぱり面白さのほうが上回りますね。再生可能エネルギーという社会貢献性の高い分野で、発電設備の開発から工事まで、あらゆるフェーズに関われるやりがいはとても大きいです。チームで力を合わせて、大きなプロジェクトを形にしていくところも気に入っています。
Theme 03
学生時代の専攻は活かせていますか?
「専攻を活かしたい」という志望動機が多かったのですが、実際に仕事をしていかがでしたか?
研究室で有機化学物の合成に取り組んでいた経験が活かせていると思います。基本的な器具や薬品の取り扱いはもちろん、やったことのない操作でも、ベースがあったので比較的すんなりと馴染めたのかなと。
私も、化学分析の基礎が役立っていますね。PCB(ポリ塩化ビフェニル)の分析方法を開発した時には、有機物の抽出方法や、機器分析方法の知識や経験を応用できました。
外国人の担当者とやりとりすることが多いので、異文化コミュニケーションの研究をしていたことに助けられています。
私は残念ながら、みなさんのような実感がまだなくて……。入社2年目ですし、機会が巡ってきていないだけかもしれませんが。
専攻が「そのまま活きた」と感じられる場面は、意外と少ないかもしれませんね。でも基礎さえできていれば、応用が利く場面がきっとあると思いますよ。私は大学で身についた実験の進め方が、仕事を進めるうえでも力になっていると感じています。
Theme 04
女性が働きやすい会社ですか?
そもそも、女性社員は多いのでしょうか?
歴史的にずっと男性が多かった業界なので、TPTにもどうしてもその傾向はありますね。
私が配属された事業所は、新入社員6人中、女性は私だけでした。女性の配属自体が数年ぶりだったようで、先輩が接し方に迷っている感じでしたね(笑)。ただ、それからは毎年、女性が入社してきています。
私も相田さんと同じ状況でした。でもやっぱり、異動などで女性が少しずつ増えていきましたね。それに、一般職としては育児を経て復帰した方もいらっしゃったので、家庭と仕事の両立は大変かと思いますが、続けやすい環境であることを感じました。
みなさんの配属先と比べると、私がいる分析センターは最初から女性が多かったですね。社内はもちろん、協力会社の技術者でも女性をよく見かけました。分析という分野自体、もともと女性が活躍しやすいのかもしれません。
仕事において、男女差を感じることはありますか?
分析センターでいえば、かつては分析などの「内の仕事」は女性が任され、サンプリングのような「外の仕事」は男性が担当していました。ルールではないものの、なんとなくそういう慣習でしたね。でも、ここ何年かの間に変わってきました。性別に関係なく本人の適性やスキルで判断するようになったためか、外に出ていく女性も増えています。この傾向が、さらに強くなるといいなと思っています。
そうですね。重いものを運ぶような、体力的に難しいところは男性社員が率先して手伝ってくれますが、そうではない部分では性差なく活躍したいですね。
たとえば施工管理の仕事は、男性のものだと思われがちです。けれど、女性でもまったく問題なく取り組めるんだと、TPTの環境で知ることができました。
もちろん、まだまだ足りない部分もあると思います。けれど、それに気づいた私たちがちゃんと意見を言うことで、ちゃんと変わっていく柔軟さがTPTにはある。たとえば、旧姓の使用。結婚で姓を変えた時に、外国人の担当者に名前を覚え直してもらうのが大変で(笑)。そのことを会社に伝えたら、全社的に旧姓の使用がOKになりました。この社風があれば、もっともっと女性が働きやすい会社に変わっていけるんじゃないかなと期待しています。
Theme 05
最後に、学生のみなさんにメッセージをお願いします。
さっきの話とも重なってしまいますが、性別に関係なく、責任ある仕事ができるいい環境だと思いますね。さまざまな制度も整っていますから、働きやすさを実感してもらえるのではないでしょうか。
人のいい会社だと思いますし、社員をバックアップしてくれますよね。私もいま、会社の支援を受けて技術系の資格を取ろうと考えているところ。この社風をぜひ利用して、成長していただきたいと思います。
専門性の高い会社ですが、あまり難しく捉えずに飛び込んできていただきたいです。まずは「遅刻しない」「ちゃんと連絡する」といった、基本ができればきっと大丈夫ですから。
火力発電所で仕事をしていて実感したのですが、明るいコミュニケーションを意識したほうが、周囲のみなさんに早く受け入れてもらえますね。コミュニケーションも、大切な基本のひとつ。社外の方とチームになって動くことも多いので、積極的に取っていくといいと思います。
そう。積極的なコミュニケーションと意欲さえあれば、あとはどうにでもなります(笑)。