INTERVIEW

非破壊検査で、構造物を診察。
発電所を支える「医師」。

非破壊検査
田中 啓太
技術部 技術センター 検査グループ
2019年入社
理工学研究科 量子線科学専攻 卒

なんでも聞ける雰囲気が、自信を育てた。

入社を決めるまでの経緯を教えてください。

まず、2日間のインターンシップに参加しました。初日にいまの仕事に直結する非破壊検査を経験し、2日目は発電所の見学。あまりのスケールに圧倒されたことを覚えています。しばらくたって、今度は会社説明会へ。そこで、インターンでも会った社員の方に「田中くん、お久しぶり」と声をかけてもらったんです。ほかの会社ではそんなことはなかったので、驚いたのと同時にとても嬉しくなりましたね。「この会社なら、一人ひとりを大事にしてくれるのではないか」。そう予感したことが、入社の最大の決め手です。

その予感は当たりましたか?

当たりましたね。先輩たちがとても気にかけてくれて、同じことを2度3度と尋ねてもそのたびに丁寧な説明がありますし、こちらの意見も汲んでもらえます。じつは入社から間もない頃、やむを得ない条件が重なり、本来なら先輩と進める仕事を一人で任されたことがありました。不安しかなかったのですが(笑)、先輩のきめ細かな指導と、聞きたいことをすぐに聞ける雰囲気に支えられて乗り切ることができました。難易度の高そうな仕事でも、迷わずに「できます」と言える自分になれたのは、あの経験のおかげだと思っています。

「医師」として、発電所の健康を守る。

非破壊検査という業務について教えてください。

端的に言えば「構造物の医師」です。人間を診察する時、医師は放射線や超音波によって切開することなく体内を調べ、病気を発見します。同じ手法で、私たちも発電所の構造物を壊すことなく、異常の有無を調べているんです。たとえば、もしもある部分の金属が劣化して亀裂が生じれば、数百度にも及ぶ蒸気が噴出してしまうかもしれない。そういったことが起きないよう、予兆として発生しているごく小さな傷も見落とさないことが使命です。

印象に残っている出来事はありますか?

検査工事中のことです。現場に入った協力会社の方から「あんなところで作業するの?」と尋ねられ、確認のために駆けつけると、人が落ちかねない開口部が。しかも、落下防止用のロープをかけるフックもない。あわてて工事の担当者に相談し、開口部をふさぐプレートとフックを設置しました。結果として事故は起きませんでしたが、危険性をシビアに認識できなかったことを心から後悔しました。自分の目でしっかり現場を管理することはもちろん、協力会社と密なコミュニケーションを交わし、お互いに注意喚起する大切さにも気づいた出来事です。

前例を疑い、新しい気づきを発信していく。

意識して取り組んでいらっしゃることはありますか?

学生時代、教授から「楽することは悪いことではない。楽するために考え抜き、得られた結果なのだから」と教わりました。その教えをベースに、どんなに些細な仕事でも効率を追求するようにしています。時間と心に余裕ができれば、ほかの仕事にも取りかかりやすくなりますから。この姿勢を貫くうえで、若手の意見に耳を傾けてくれる東京パワーテクノロジーの社風はありがたいですね。ただ前例を踏襲するだけではなく、「どうしたらもっとうまくいくか」を常に考え、気づきを発信していくことができます。

ご自身のこれからについて、具体的な目標を教えてください。

なんといっても資格取得です。一般的な非破壊検査をひと通り行えるようになるには、5種目の資格が必要。私はまだ取得していないので、できることは超音波などの限られた検査に留まっています。いわば、資格が揃ってからが本当のスタート。それくらい奥が深く、一人前になるまで時間のかかる業務ですが、だからこそ突き詰めてみたいという気持ちがあります。資格への挑戦を通じて作業の幅を増やしながら、さらにスケールの大きな案件も任されるよう、ひとつひとつの仕事を丁寧にこなしていきたいと思います。