CAREER INTERVIEW

震災後に重要性を増した
試験分野で、
初心者から、第一人者へ。
非破壊検査(研究業務等)
横森 拓馬
技術部 技術センター 検査グループ
2011年入社
融合科学研究科 ナノサイエンス専攻 卒

入社1年目~5年目

東電環境エンジニアリング株式会社
東京電力ホールディングス株式会社
経営技術戦略研究所 出向

震災1か月後の入社。
慣れない腐食試験に奮闘。

2011年3月に発生した東日本大震災。そして、福島第一原子力発電所の事故。私はその直後に入社しました。慌ただしい研修のあとに担当した仕事は、まさに原発事故に関連したもの。原子炉への海水注入という前例のない状況下で、金属材料がどう腐食するかを探るための試験でした。その責任をしっかり果たしたい気持ちと、新人ゆえになかなかスキルが追いつかない現実。その間でもどかしい思いをしたことを覚えています。ようやく仕事が落ち着いてきたのは、入社3年目を過ぎてから。苦労が絶えませんでしたが、これ以上ないほど鍛えられた期間でもありました。

入社6年目

東京パワーテクノロジー株式会社
東京電力ホールディングス株式会社
経営技術戦略研究所 出向

育休取得をきっかけに、
ワークライフバランスを強く意識。

この年、2人目の子どもが生まれました。1人目の時は育休を取らなかったのですが、想像していた以上に妻の負担が大きかったこともあり、今回は取得を決意。任される仕事も増えていたので多少のためらいはあったものの、家族と向き合うことで父親になった実感も強まり、いまでは心から「取ってよかった」と思っています。これをきっかけにワークライフバランスを見直し、育児と仕事の両立を意識して行動することも増えました。この先、同じように育休取得を考える後輩がいたら、全力でサポートしたいですね。

入社7年目~8年目

東京パワーテクノロジー株式会社
東京電力ホールディングス株式会社
経営技術戦略研究所 出向

社内研修の講師に就任。
教えながら、教えられる。

蓄積してきた知識やスキルを買われて、他事業部の社内研修「腐食・防食診断技術」の講師をつとめることになりました。仕事量を維持したまま、資料や実習機材の準備をこなすのに一苦労。しかもいざ研修に臨んでみると、教えたつもりなのに「意外と伝わってないな」と気づいて気落ちすることも。「ちゃんと伝わっているかどうか」を強く意識しながら、わかりやすさの向上を目指しました。やがて研修に活気が出て、若手からの質問が増えていったのが嬉しかったですね。また、教えることを通じて自分の知識を再整理できたのも有意義でした。

入社9年目〜

東京パワーテクノロジー株式会社
東京電力ホールディングス株式会社
経営技術戦略研究所 出向

「仕事を振る」ことも、
大切な仕事だと気づく。

抱える案件の数がぐんと増え、自分の力だけで進めることの限界に直面。後輩や先輩、派遣社員の方々に仕事を振り分け、自分自身はフォローや調整、確認業務に回るようになりました。そういった経験があまりなかったことに加え、もともと自分の手を動かしたいタイプでもあり、最初はどうしても「仕事を振る」ことに違和感がありました。けれど、そのおかげで自分はさまざまなジャンルの案件に幅広く携われるようになり、振られた側にも新たなスキルの習得というメリットがある。そう理解してからは、「仕事を振ることも、大切な仕事」だと捉えられるようになりました。

これから取り組んでいきたいこと

自分が身につけてきたスキルをどのように引き継ぎ、後進を育てていくか。それがこれからの大切な使命だと考えています。積み重ねてきた実績が新しい依頼を呼び、一人ひとりの業務量の増加につながっています。その一方で、無理のない働き方も追求しなければならない。この環境にフィットした後進育成の方法を考え、実行していきたいと考えています。プライベートでは、最近になって所属したボランティア団体での活動に力を入れ、ゆくゆくは子どもが通う学童で科学実験教室を開くことが目標です。科学や実験の楽しさを、子どもたちにも伝えていきたいですね。